実践的な心理学であっても、娯楽として接する心理学が面白い




私が「心理学」に惹かれてしまうのは、それを会得すると自分や他人の行動の理由が理解できるようになり、ひいてはコントロールもできるようになるのではないかと期待してしまうところにある。そういうわけで私は、書店に行けば心理学に類する書籍を手にしてしまうのである。

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娯楽としての心理学

だが、これまでに心理学に関係する書籍を読んでみても自分や他人をコントロールできたためしがない。おそらくそれは、実践的な知識として学んでいるわけではなくて個人的な興味の雑学として触れていることに起因しているのではないかと自己分析している。

私が本書に対する接し方もこれまでと同様で、本書で得られた知識を実生活に活かそうとする気概はなくて、雑学を得る娯楽と捉えていた。それはそれで問題があるわけではなく、もしかすると知らず知らずの中でどこかの場面に活きているのかもしれない。

 

群を抜いて分かり易い理由

さて本書であるが、これまでに読んだ「心理学」関連の書籍の中では群を抜いて分かり易い1冊であった。

 

本書の構成

その理由の1つ目は本書の構成にある。
  1. 第一章 心理学とは何か
  2. 第二章 「現象」から見える心理学
  3. 第三章 「実験」で測る心理学
  4. 第四章 「観察」で見抜く心理学
  5. 第五章 「理論」を整理する心理学
  6. 第六章 「技法」を提示する心理学
私は専門化ではないのだが、第一章を除く第二章以下は実は心理学が辿ってきた歴史なのではないかと思える。それゆえに、心理学を効率よく学ぶ順序としては最適な本の構成になっているように思われる。

 

平易な文章

分かり易さを印象付けている2つ目の理由は平易な文章にある。
意識的にそうしているのだろうが、全ての章に渡って実例やエピソードを交えることで親しみやすさを印象付けることに成功している。特に第二章「現象」、第三章「実験」、第四章「観察」の各章においては、何処から読み始めては本書にグイグイとひきつけられてしまった。ごく日常的で身近な事例をもとに説明しているためである。

 
心理学という堅そうな学問をごく身近な知識として提供している。おそらく著者が女性であることの影響も少なくはないのではないかと私は思う。

初版は2010年3月であるが、私が手にしている版は2013年3月に第24刷発行されたものである。なかなか人気の書のようである。