今になって村上春樹の「1Q84」を読むことになったのは




私は読書家ではなく、村上春樹ファンでもありません。そして、これまでに読んだ村上作品といえば「ノルウェーの森」だけです。その「ノルウェーの森」ですら既に遠い記憶の彼方となっています。

その私がなぜに1Q84を読むことになったのかというと、2013年4月に「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」が出版されたことがきっかけです。

 

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短編集「象の消滅」がきっかけ

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」は発売前から話題となっていました。そこで私もひとつ読んでみようかと書店に足を運んだのですが、生憎と売り切れとなっていました。

だけど書店には村上春樹コーナーが設けられていました。せっかくなので、そのコーナーになっている一角の眺めて、「象の消滅」という村上春樹の短編集を買うことにしました。



 

 

村上春樹ワールド

本を購入するときにはいくつかのアプローチ方法があります。

「象の消滅」を選んだときには、巻頭の「刊行に寄せて」(ゲイリー・L・フィスケットジョン/クノップフ副社長兼編集次長)と「アメリカで『象の消滅』が出版された頃」(村上春樹)を立ち読みして購入を決めました。

それから数日間は「象の消滅」を開くことすらしなかったのですが、ふと時間があいたときに最初の「ねじまき鳥と火曜日の女たち」「パン屋再襲撃」を読むに至って、村上春樹ワールドに引き込まれてしまったわけです。

そこには平易な文章で綴られた物語が読み手をグングンと引き込む力があります。それなのに未解決なことがらは未解決のままに終わってしまう物語。

だからといって著者の意図することや主張は何かと頭を悩ます必要はありません。もちろん、悩んでも一向にかまいません。私が思うに、そういうことは解説者や批評家にお任せしておくに限るということです。一読者である私は、ただ楽しめれば良いのです。

 

単行本を買う意欲が失せた結果の「1Q84」

短編集の「象の消滅」の2編で不思議な心地良さを感じた私は、村上春樹の長編を読んでみたくなりました。だけど、新刊の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を購入する気力は失せていました。つまり、高い単行本を買いたいという勢いがなくなってしまっていたということです。

そこで選んだのが、文庫本がでている中でも長編の「1Q84」BOOK1(前編・後編)、「1Q84」BOOK2(前編・後編)、「1Q84」BOOK3(前編・後編)だったというわけです。

 

それでも面白い長編小説

で、どんなだったかというとう、物語にグイグイとひきつけられて、最後まで勢いを失わずに読み終えたという感じがしました。どこかの批評家が最初の200ページを読むのが苦痛だったが、それを過ぎると面白くなったみたいなことを言っていました。私には全くあてはまりませんでした。

ただ予想通りというか、読み終えてから「あれっ?」というのが残ります。というのは謎が謎のままに、文字通りそのままに残されて終わってしまうからです。

代表的な例では、冒頭にでてくる興味深いタクシーの運転手です。意味深な示唆を与えているのですが、その素性や答えが明かされていません。リトルピープルや空気さなぎ、そして象徴的な月などが何を意味するものなのかわからないままです。また、ドアを叩くNHKの集金人の正体は誰だったのか。

なので、スッキリしたラストが好きな読者にはストレスが残ってしまうかもしれませんのでオススメできません。

それでもなお、先を知りたくて読み耽ってしまう魅力が全編を通して感じられるので、無理に解読しなくとも面白い長編小説です。

もちろん、難解な村上春樹のメッセージを解き明かすのも楽しみ方の1つであることに違いはありません。

 
 

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